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-連載- 家づくりコラム 「本物の木の家を見分ける 」007
「家の木材として使われるまで、幾度となくこの手に・・・」
今では殆ど使われることもなくなった丸太の梁ですが、先日ある新築のお宅で使われた。 その丸太梁は5〜6年の間ストックしておいた杉丸太の梁で、私にとっては「この娘もやっと嫁ぎ先が決まった」というような気持ちだったのです。
 山で伐採した丸太は、決まった長さに造材するわけですが、一般には3m(10尺)・3.64m(12尺)・4m(13尺)の3種類長さに玉伐ります。 しかもそれらの材は真っ直ぐな直材で玉伐られるのですが、真っ直ぐに伸びているように見える杉や檜ですが、伐り倒してみると実は微妙に曲がりがあり、曲がりの大きい部分は伐り除かれて山に捨てられてしまうのです。
しかし、私のところではそんな曲がった木材でも、どこか使い道があるものだろうということで、丸太の梁やタイコ挽きの梁としてストックしておきます。 そんな木材は勿論のこと他の材においても、木材が家に使われるまでの間、私の手にかかる回数は一体どの位の回数かお分かりですか?
私どもで伐っている木材は40〜60年生ほどの杉と檜の木材です。 それらを植えて手入れを行ったのは私の祖父や父親達で、中には私も下草刈りの手伝いをして育った木材もあり、その経験が今の仕事につながっているともいえるのです。
そして今、毎年数百本の木材を家の材料としてストックしていますが、その間私の手にかかるのは、伐倒から桟積みストックまで何回になるでしょうか。
私のところでは皆伐は行わず、二割ほどの木を選る間伐であり、まず伐採したあとの森に適当な木の間隔を保持して光が差し込むようにと、伐倒する前にどの木を倒すかを選びます。
次に、伐倒する木材の下に立ち伐倒する方向を決めて立木を伐採します。
そして山で3ヶ月ほどの葉枯らし乾燥後に、枝を払って長い木を見つめ、何の部材に使うかを考えて適当な長さに採材する玉伐り作業です。
玉伐りした材は、運材車に積み、山からトラック積みの土場まで搬出します。
土場まで搬出した材は、トラックに積み替えて製材所まで運搬です。
そしてトラックで製材所まで運搬し、トラックから材を降ろして、丸太の一本一本の伐り口に、製材する材寸をチョークで書き込みます。
次は製材ですが、製材作業は製材所の方にお任せして、指定の材寸に採材して頂きます。
製材が済んだ木材は、トラックに積んで桟積みの場所まで運搬して降ろし、樹皮付きの材は樹皮を剥きます。
そして桟積み天然乾燥するために、木材を桟積みします。
野地で一年間の桟積み後は、屋根下に移動して積み替え、家の材として使われる出番を待つわけです。
すべての材が、どこに立っていた木かなどまで覚えている訳ではありませんが、伐採してからこれだけの回数に渡り、私や私どものスタッフの手にかかる木材ですので、その木材が無事家に使われるときは、専ら「嫁ぎ先が決まった娘」のような、嬉しくてホッとした心境ともいえるのです。
by matsushimak
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